「うつ病で働けなくなった。生活費が心配…」 「精神障害者手帳って、自分も取れるの?」 「年金と手帳、どっちを先に申請すべき?」
精神疾患を抱えながら生活する中で、お金や将来への不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
実は、精神疾患でも利用できる社会保障制度はいくつもあります。この記事では、代表的な2つの制度「障害年金」と「精神障害者手帳」について、網羅的に解説します。
目次
障害年金と精神障害者手帳の違い

まず、この2つはまったく別の制度であることを理解しておきましょう。
| 項目 | 障害年金 | 精神障害者手帳 |
|---|---|---|
| もらえるもの | 毎月の年金(お金) | 手帳(各種割引・税制優遇) |
| 管轄 | 日本年金機構 | 市区町村 |
| 等級 | 1級・2級・3級 | 1級・2級・3級 |
| 対象 | 年金加入者(保険料要件あり) | 精神疾患を持つすべての人 |
| 有効期限 | 1〜5年ごとに更新審査 | 2年ごとに更新 |
両方を同時に持つことも可能です。また、どちらかを持っていなくても、もう一方の申請はできます。
障害年金とは

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に制限がある場合に、毎月お金を受け取れる公的年金制度です。
対象となる精神疾患
- うつ病、双極性障害(躁うつ病)
- 統合失調症
- パニック障害(重度の場合)
- 発達障害(ADHD、ASDなど)
- 知的障害
- てんかん(精神症状を伴う場合)
受給条件(3つの要件)
- 初診日要件: 初めて医師の診察を受けた日(初診日)が特定できる
- 保険料納付要件: 初診日までに一定期間の年金保険料を納めている
- 障害状態要件: 障害認定日に1〜3級の障害状態にある
年金額の目安
| 等級 | 障害基礎年金(月額) | 障害厚生年金(月額) |
|---|---|---|
| 1級 | 約81,000円 | 基礎年金 + 報酬比例額 × 1.25 |
| 2級 | 約65,000円 | 基礎年金 + 報酬比例額 |
| 3級 | なし | 報酬比例額(最低保証あり) |
精神障害者手帳とは

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患により日常生活に制限がある方が申請できる手帳です。
手帳を持つメリット
- 税金の控除(所得税・住民税・相続税など)
- 公共交通機関の割引(一部地域・事業者)
- 携帯電話料金の割引
- 障害者雇用枠での就職
- 公共施設・映画館などの割引
- 自動車税・軽自動車税の減免(1級の場合)
等級の目安
| 等級 | 状態 |
|---|---|
| 1級 | 日常生活に常時介助が必要 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限がある |
| 3級 | 日常生活・社会生活に一定の制限がある |
申請の流れ

障害年金の申請
- 主治医に相談(初診日から1年6ヶ月経過後に申請可能)
- 年金事務所で書類を入手
- 診断書を作成してもらう
- 必要書類を揃えて提出
- 審査(約3ヶ月)
- 結果通知・受給開始
精神障害者手帳の申請
- 主治医に相談(初診日から6ヶ月経過後に申請可能)
- 市区町村の障害福祉課で申請書と診断書様式を入手
- 診断書を作成してもらう
- 写真・本人確認書類と一緒に提出
- 審査(約1〜2ヶ月)
- 手帳の交付
どちらを先に申請すべき?

結論: どちらでも構いません。
両者は別制度なので、どちらを先に申請しても問題ありません。ただし、以下のような考え方があります。
- 生活費が心配 → 障害年金を優先(毎月のお金がもらえる)
- 働きたい・割引を使いたい → 手帳を優先(障害者雇用枠で就職可能)
また、障害年金を受給している場合、年金証書を診断書代わりに使って手帳を申請できるケースもあります(診断書代が節約できます)。
働きながら受給できる?

障害年金の場合
はい、働いていても受給できます。
障害年金は「働けないこと」ではなく「障害の状態」で判断されます。ただし、更新審査で「症状が軽くなった」と判断されるリスクはあります。
精神障害者手帳の場合
もちろん、働いていても取得できます。
手帳には収入制限はありません。障害者雇用枠で働いている方の多くが手帳を持っています。
よくある質問
Q. 会社や周囲にバレますか?
自己申告しなければ、基本的にはバレません。 年金の受給も手帳の取得も、会社への届出義務はありません。
Q. 両方同時に申請できますか?
はい、できます。 別の制度なので、同時進行で申請しても問題ありません。
Q. 診断書代はいくらかかりますか?
3,000〜10,000円程度(医療機関により異なります)。年金と手帳でそれぞれ診断書が必要ですが、年金証書があれば手帳申請時の診断書が不要になる場合があります。
Q. 申請を代理でお願いできますか?
はい、可能です。 家族や社会保険労務士などに代理を依頼できます。
まとめ
精神疾患を抱えながらも、利用できる社会保障制度はたくさんあります。
| 制度 | 主なメリット |
|---|---|
| 障害年金 | 毎月のお金(生活費の足し) |
| 精神障害者手帳 | 税金控除、割引、障害者雇用 |
「自分は対象外かも…」と思い込まず、まずは主治医や年金事務所、市区町村の窓口に相談してみてください。制度を知って、上手に活用することが、生活を楽にする第一歩です。




